こんにちは、kyan(@sumibi_kyan)です♪
本日は、キャンプ場で咬傷事故が起きた際に、関係者は何をすべきか、困った時にどう行動すべきかを調べまとめました。
自分向けの備忘録ですが、これを読んで予め準備しておけばいざという時も安心?!
事故が起きないように、また事故が起きてしまった時への備えとして、参考になりましたら幸いです。
なお、本記事執筆のきっかけになった咬傷事故の顛末、咬傷事故の際に加害者に発生する法的責任もあわせてご覧いただけますとより理解が深まるかもしれません。
咬傷事故が起きた場合に行うべきこと
咬傷事故の際に加害者に発生する法的責任でも書きましたが、基本的には自動車事故と同じような流れで進みます。
加害者(飼い主)が行うこと
加害したペットを隔離する
被害者、ペット双方を引き離してそれぞれが安心できる環境を作りましょう。
オートキャンプであれば車で待機させる、近くに車がなければテントの中なりペグダウン+リードでつないで確実に近づかせないことが肝要です。
被害者のケガを治療する
被害者の状態を確認し、程度によっては救急車を呼ぶ/病院へ搬送し一刻も早く治療を受けてもらいます。
ちょっとしたケガでも万が一…ということがあるので、極力受診してもらったほうがよいでしょう。
できれば事故後すぐに受診してもらうことが望ましいです。
事故後日数を経過してしまうと、「そのケガは本当にその時の咬傷事故だったのか」因果関係が認められず、後述する補償でトラブルになる可能性があります。
保健所へ必要な届出を行う
事故発生から24時間以内に、飼犬の咬傷届を、犬の登録をしている自治体の保健所へ提出することが義務付けられています。
(札幌市であれば札幌市動物の愛護及び管理に関する条例11条、および施行規則7条。条例は自治体ごとに制定されています)
ペットを飼育している人でも知らない人は多いですが、飼い主の義務はきちんと果たしましょう。
「検診証明書」を保健所と被害者に提出
飼い犬は狂犬病に罹患している可能性があります(日本では限りなく低いと言われていますが、ないとは誰も断言できません)。
傷口から細菌が繁殖して破傷風を引き起こすなど思いをよらない事態が発生することもあるため、必ず受診し提出しましょう。
被害者に「犬による咬傷被害届」を保健所へ提出してもらうようお願いをする
被害者もペットを飼っている、咬傷事故の際に何をすればよいかわかっているとは限りません。
加害者の責任として保健所へ提出する必要があることをきちんと伝え、場合によってはサポートするとよいでしょう。
被害者に対し賠償義務を果たす
治療費や治療に要した交通費や薬代、破れた衣服や壊れた物の弁済、場合によっては休業補償や慰謝料といった項目が考えられます。
専用の保険でなくとも火災保険や自動車保険の特約(日常生活賠償責任保険特約)があればカバーできる場合がありますが、保険を使うには保険会社への連絡および指示を仰ぐ必要があります(勝手な示談交渉がご法度なのは自動車保険と同じ)。
なお、その後のやり取りの煩雑さを考えると、示談交渉付の特約を選べんでおいたほうが安心です。
(日常生活賠償責任保険では、保険会社にもよりますが一般に示談交渉サービスがそもそもなかったり特約が必要な場合があります)
被害者が行うこと
病院にて治療を受ける
「大したキズじゃないからよい」という人もいると思いますが、後になって重症化したり補償の観点からすると、たとえ少々のケガであっても即時受診した方が安心と考えます。
前述しましたが、後日になって受診しても、「果たして本当にその咬傷事故によるケガなのか」疑問がついて因果関係を否定される可能性があります。
加害者の氏名住所等、個人を特定できる情報の提供を受ける
補償が必要になる場合に備えて、相手を特定できる情報を提示してもらいましょう。
運転免許証などの公的証明書の確認の他、車の車種や色・ナンバーを控えておく、撮影しておく等、相手の情報は少しでも多く持っていた方がよいです。
「犬の登録をしている自治体の」保健所へ「犬による咬傷被害届」を提出
意外かもしれませんが、被害者側も保健所へ提出します。
これは警察への被害届とは別個のもので、主に疫学的観点からの要請です。
困った! こういう場合はどうする?
誰からも助けてもらえない場合は?
管理人不在のキャンプ場であったり加害者が逃走した等で、助力を得られない場合があります。
こうした場合、携帯電話が通じる場合は自ら110/119番通報して救助を求めるとよいでしょう。
もちろん自分で動けるようなら病院まで移動してもよいですが、無理はしない方がよいです。
携帯電話が圏外で救急車を呼べない場合は?
周囲の人やキャンプ場の管理人さんに助けを求めるとよいでしょう。
管理棟があるようなキャンプ場であれば固定電話が設置されていたり、特定のキャリアのみつながる場合には当該キャリアの携帯電話を所持している可能性が高いです。
(例:札内川園地キャンプ場では、ドコモのみ基地局があり他は圏外でした)
管理人不在、他に誰もいない、携帯電話も圏外の時は?
どうしたらよいか6年ほど考え続けましたが、明確な答えは見つけられませんでした…
良い方法があったら知りたいです。
自力で動けるなら少なくとも携帯電話が圏内の場所まで移動し助けを求めることができますが、動けないような重傷を負った場合だとどうにもなりませんね…
そういった場所でキャンプする場合は①複数人で行動する、②衛星携帯電話を持参する、等で予め自衛策を考えておいたほうがよいです。
加害者が咬傷の事実を認めない場合は?
携帯電話が通じる場合は110番通報して(過失傷害事件の発生として)警察官を派遣してもらう、携帯電話が通じない場合には第三者に介在してもらいましょう(後々の証人にもなります)。
いずれも難しい場合には、その後の告訴や訴訟を見据えて相手の顔や車・犬・テントなど写真撮影しておく等して客観的な証拠をひとつでも多く確保することも大切です。
最寄りの病院まで時間がかかる場合は?
自分で動けないような重傷の場合であれば、119番通報して救急の依頼をするのが最も確実でしょう。
躊躇してはいけない場面です。
救急車は緊急車両なので自分で運転して移動するより早く到着できますし、場合によってはドクターヘリなどの出動も期待できます。
事故に遭わないため自衛できること
ペット可のキャンプ場へ行かない
キャンプでの咬傷事故を少しでも避けるならば、ペット不可のキャンプ場を選択する手があります。
ただし初山別みさき台公園キャンプ場のように、ペット不可といいつつ道の駅利用者はテントスペースでも普通に散歩してる(立入禁止の看板などナシ)…なんて例もあるため絶対ではありません。
もしくは、ペット可サイトと不可サイトを明確に分けているキャンプ場を選択する手があります(例:仲洞爺キャンプ場)
咬傷事故やペットトラブルが多いのか、ペット不可のキャンプ場は意外と多いです。
ペット連れの近くには近寄らない
犬の種類や個々の性格にもよりますが、一般的に群れ(=キャンパー一家)やテリトリー(=テントの回り)の意識が強いです。その上、飼い主の心情をよく把握しています。
たとえ飼い主が(見た目は)フレンドリーでも犬からしたら「うちの飼い主は心を許していないな」と判断します。
「コイツ(被害者)がテリトリーに入ってきたら痛い目に遭わせてでも追い払わなきゃ!」という気分であってもおかしくなく、見た目の大きさや可愛さに騙されると意外な結果を招く恐れがあるため、被害を未然に防止するならば犬の近くは通らないのが無難です。
(無論、犬が全てこうではありませんが…。よく躾され社会化されているワンコは社交辞令のわかるフレンドリーな仔が多いです)
単独行動を控える
昨今、ソロキャンプが全盛です。
しかしアクシデントが起きた時のリスクは複数人で行くより高くなりがち。文字通り一人ぼっちだと本人に何かあればそこでジ・エンドという確率も飛躍的に上がります。
リスク低減の観点から考えると、誰かと一緒の方が多少は安心ですね。
携帯電話が圏外のキャンプ場へは行かない
事故が起きても救援が呼べず、単独行動の場合はそこで終了…なんてことも十分考えられます。
あくまでレジャーなので、自分でトラブル対処できる範囲でキャンプ場を選ぶのも一案です。
なお、当ブログに掲載されているキャンプ場情報では、kyanが複数キャリアの電波状況を実測した結果を記載するよう心がけていますので、ご参考にどうぞ。
ヤバそうなキャンパーには近寄らない
一般常識に欠けるキャンパーは、飼っているペットが事故を起こしてもきちんとした対応をしない可能性(逃げる、ゴネる、逆ギレする…etc)が考えられます。
むしろペットより危険…
三十六計逃げるに如かず、近づいてきたら自分が離れることも視野に入てトラブルに巻き込まれないよう注意を払いましょう(危険運転をする車には近づかないのとおんなじです)。
(ヤバそうな人の例) ※全て実話 ・混雑しているキャンプ場内でペットを放し飼いにする ・風が強いのに花火や焚き火をはじめる ・深夜になっても大声で話し続ける ・子供が泣き叫んだり喧嘩をはじめても放置 ・大音量で音楽をかけ続ける ・サイトの回りがゴミで散らかっている ・夜になって薪割りをはじめる ・熱いからとアイドリングしっぱなしで寝る ・車進入禁止エリアに車を持ち込んで設営/撤収する |
感想
kyanが咬傷事故に遭った際は、キャンプ場が携帯電話圏外だったものの、自力で動けたことと相手の飼い主さんが加害の事実を認めて謝罪と治療費を負担したため、第三者を介在せずとも事が運びました。しかし保健所への届出や、飼い主は狂犬病の罹患有無について獣医師に診てもらい「検診証明書」を発行してもらう…といった話は全く知らず、調べてみて「もっと早く知りたかった!」と後悔しました。
本記事はその時の経験から、自分への防備録を兼ねて執筆しました。
その後、私自身がワンコを家族として一緒に暮らすことになりました。
事故のことは他山の石として加害者にならないよう気をつけたいと思います。
いずれにせよ一旦トラブルが発生すれば加害者・被害者の双方にとってかなり面倒で、キャンプどころではなくなってしまいます。せっかくの楽しいキャンプを台無しにしないよう、キャンパー同士が互いに細心の注意を払って気持よくキャンプしたいですね。
願わくばキャンプへ行く前に一人でも多くの方にこの記事を読んで備えていただければ、「引き出し」を持っておいていただければ幸いです!
参考
記事化にあたり下記のページを参考にさせていただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。
犬による咬傷事故(鹿児島大学名誉教授 岡本嘉六氏)
犬による咬傷事故処理マニュアル (浜松市、PDF)
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