こんにちは、kyan(@sumibi_kyan)です♪
本日は、Amazonで人気のSENQI製の薪ストーブのレビューをしてみます。
SENQI製ステンレス薪ストーブ
来歴
2022年11月にメーカー直売(Amazon経由)で17284円で購入
同月より使用開始し、これまで6回12泊で使用しました(使用時間:約133時間)。
仕様
外寸 | 幅20cm×高さ20cm×奥行40cm (脚を立てた場合の高さ:地面より35cm) (両サイドの物置きスペースを展開した場合の幅:53cm) |
重さ | 約8.2kg |
煙突外寸 | 1本につき32cm(ダンパーは22cm)、接続部分2cm ※そのまま組み立てると地面からの長さは205cm (実際にはスパークアレスターの長さも追加) |
煙突径 | 60mm(中華製ストーブでは割とあるサイズ) |
実際に使ってみてわかったこと
窓付き薪ストーブは暖炉感覚
先代を購入する際、意識が「幕内に薪ストーブを設置すること」に集中しすぎて、窓が小さいとただの暖房器具でしかないことまで考えが十分に及んでいませんでした💦
実際に使って気づき「窓が大きければなー」と心の中で引っかかり続けていましたが、テントの中でも炎を鑑賞できるって素晴らしいですね!
ボディは小さいけど十分な暖かさ
これまでソロ用にWAQ Alpha TC SOLO DX、デュオ用にロゴスの2ルームテント(プレミアムドゥーブルXL-AE)で使ってみましたが、どちらもkyanには十分な暖かさ(外気温+10~15℃)でした。
先代より小さくなったので火力不足を心配してましたが、実用上は大丈夫そうです。
鍋やヤカン、フライパンも問題なく利用可能
天板の上にダッチオーブンで煮物、ヤカンで湯沸かし、羽釜で炊飯、シェラカップで中華まんなどを作ってきましたが、問題なく利用できました。
煙突が端に配置されているため、大き目の鍋でもバランスを崩すことなく置けます。
揺らめく炎を楽しんだり暖房として使うだけでなく、このように調理にも使えてエネルギーを有効活用できるのは薪ストーブならではです。
ちなみに鍋やヤカンをサイドテーブルに置いておけば、ストーブ側面からの熱を受けて保温されます。
ステンレス製でも問題なく暖かったです
事前にリサーチした際には、薪ストーブでもステンレス製は鉄製と比べて放熱性が低い(暖かさを感じにくい)という話でしたが、実用上の差は感じませんでした。
燃費について
実際に量を計測しながら使ったデータをテントを変えて2例、ご紹介します。
<例1:ソロ用テント(WAQ Alpha TC SOLO DX)>
外気温 | 5℃前後 |
幕体内温度 | 10~19℃ |
使用時間 | 約11時間(午後4時半~翌朝3時半) |
薪のくべ方 | 炎を絶やさないように適宜投入 |
他の暖房器具との併用 | FF式ストーブを「最弱」で併用 |
→薪を1.3束+オガライト約4kg使用しました。
<例2:2ルームテント (LOGOS プレミアムドゥーブルXL-AE)>
外気温 | 2~ー2℃ |
幕体内温度 | 11~20℃ |
使用時間 | 約9時間(午後5時~翌朝2時) |
薪のくべ方 | 炎が落ち着く度に10~15cmにカットしたオガライトを1~2片投入 |
他の暖房器具との併用 | なし |
→オガライトを約8kg使用しました。
薪換算だと、よく乾燥した広葉樹薪ベースで1.5束といったところでしょうか(薪材や含水量、大きさにもよります)
設営/撤収について
薪ストーブ本体に限って言えばさほど時間かからず、組立/収納ともに2~3分といったところ。
むしろ時間かかるのは前後の付帯作業です。
組立時に行う作業
①煙突を幕体から外へ出す、②煙突が倒れないようロープで3点固定、③ストーブや煙突の位置や高さを微調整ですが、各作業に5~10分かかります。
これらを足すと、展開から設置完了まで30~60分見ておくとよいでしょう。
ちなみに最初から煙突ポート装備のテントは比較的楽ですが、煙突ポートがない場合は煙突の外出しに手間と時間を要します(特に横引きで煙突を外に出す場合は位置や高さの調整に想像以上の時間必要です)。
撤収時のメンテナンス
具体的には①灰の始末(灰捨て場まで持参)、②ガラス窓の煤落とし(毎回)、③煙突の煤落とし(2~3回に一度)ですが、各作業に5~10分かかります。
これらを足すと、分解から収納まで30~60分見ておくとよいでしょう。
よい点
灰の取り出しトレイがある
ロストルの孔から灰掻き棒で灰をトレイに落として、トレイを引き出せばそのまま捨てられます。
先代の薪ストーブはこの機構がないため、灰の始末に手間と時間をとられて処理が苦痛でした。
ちなみに同じような形状の中華ストーブでも取り出しトレイのないものもあるので購入時は要注意です。
折りたたみ式の脚がついている
脚を即座に展開できて便利。
先代の薪ストーブはネジ止め式だったため手間と時間をとられてめんどくさかったです。
ちなみに脚自体はショボいですが、キッチリ展開してしまえば他のレビューにあるような(脚のロックが外れた)みたいな事は起きませんでした。
扉が左開き(右から左側へ開く)
先代は右開きでしたが、右利きだとこちらの方が使いやすかったです。
収納ケース標準添付
中華製品あるあるですが、別に買う手間も省けるしお財布にも優しいです。
(逆に日本メーカーのオプション商法にウンザリ・・・)
サイズも若干の余裕があるので入れやすいです。
付属品が本体に収納可能
建物内で固定して使うことを念頭に設計されている既存の時計型ストーブは煙突を収納できずトータルで嵩張りますが、本品は持ち運びを見越して煙突など付属品を収納できるよう設計されているため、コンパクトに収納可能です。
コスパよい
煙突、ダンパー一式ついて約2万円で買えるのはお買い得。
これに煙突ガード、煙突を固定するためのガイロープとカラビナ、スパークアレスター、煙突掃除用ブラシ、温度計を買っても3万円でお釣りが来ます。
なお2023年のモデルでは、以前別売だったスパークアレスターが標準添付になり、更にオトクになりました。
気になる点
本体に火の粉止め(中子)がない
そのまま使うと火の粉が飛んでテントに穴があく可能性があるため、スパークアレスター必須になります。
それまでどの薪ストーブにも普通にあると思っていたので、届いて確認した際、真っ先に驚いた点でもあります。
マグネット式温度計がくっつかない
薪ストーブの温度を計測するのに最も手っ取り早いのはマグネット式の温度計ですが、これがくっつかないのはマイナスポイントでした。
購入ページのFAQにあった販売者の回答によると、素材はSUS201(非磁性)とのこと。
ネジ止め式温度計を止められる穴を用意してくれるか、せめて側面パネルだけでも磁性体のSUSを使うとかしてくれるとよかったです。
目皿(ロストル)部分が本体一体型で交換できない
薄い板がくっついてるだけなので、何度も使っていくうちに錆びてボロボロになると予想されます。
一般にロストルは消耗品ですが、摩耗しても交換できないままだと使用感が大きく悪化してしまうので、交換可能な設計に変えてほしいです。
空気孔調節つまみのネジがすぐ緩んで空気量の調整できなくなる
最初は結構困ったのですが、そのうち指先の微妙な動きでネジをしめることができるようになりました。
このあたりの造りの甘さは価格の安さとトレードオフかな。
付属の灰掻き出し棒がしょぼすぎて使い物にならない
ただの針金で、これでチマチマと掻き出していたら日が暮れるので、掻き出し部分の面積を大幅に拡張してほしいところです。
あと短すぎて奥の灰を掻き出すためにはストーブ内部に手首まで突っ込まないといけませんが、服が汚れます。
もう少し長くしてほしいところ(理想は収納しやすい伸縮式)。
溶接できる環境のある方なら先端に金属プレートをつけてやれば掻き出しの能率が格段に上がることでしょう。
なお市販品を別途購入しても千円~3千円くらいで買えます。
脚が短い
これで困る点は2つあって、1つ目は脚だけで地面への影響を完全に防ぐのは難しいこと。
地面から15cm程度しかないので、そのままだとどうしても地面まで熱が到達してしまいます。
2つ目は、座った際の視点とストーブの窓ガラスの高さにズレが生じるため、せっかくの炎が見えづらい(斜め上から覗き込む感覚になる)こと。
ブロックや金属製テーブルで嵩上げすることになりますが、それらを用意するとなると荷物や手間が増えるので、40cm位の脚だったら便利なのに・・・というのが残念でした。
どちらとも言えない点
折り畳みできない
最近は折り畳める薪ストーブが登場してコンパクトさが魅力的ですが、トレードオフとして設営/撤収時に「展開/折り畳む」の2工程が加わります。
本品は収納時でもそこそこコンパクトなのと現地での工数を重視する立場から、折り畳めなくとも問題ないと考えています。
全体に造りや品質管理が甘い
バリが残っている、ネジ穴の位置が微妙にズレてる、製造時?の指紋がついてる・・・等「安かろう○かろう」な部分が散見されました。
しかし価格を考えれば許容範囲かな(ある程度は自分でなんとかする前提)
ということで「どちらでもない」としました。
コメント
要求水準を満たし、かつ前機で不満に感じてた点が概ね解消したので、まずまず満足しています。
造りこそ所々に中華っぽさを感じるものの、価格を考えれば許容範囲。
何より薪ストーブもBBQコンロと同じ消耗品なので、予算との兼ね合いで割り切ってもお釣りが来るかと(笑)
運用にあたって最低限必要な物は一通り同梱しているので、初心者の方でも始めやすいと言えます。
(煙突ポートのあるテントであれば、追加で必要な物は「温度計」「煙突ガード」「防炎シート」位です)
ちなみに販売元は細かくアップデートしてるようで、現在は窓ガラスが3面タイプが出たり、セットにスパークアレスターとガイロープが付属するようになっているので、そういった製品に関わり続ける姿勢には一定の信頼が置けますね。
逸品ではないかもしれないけど、総じて買ってよかったと思える一品でした。
【結論】性能と価格のバランスがとれた完成度の高い薪ストーブ
コメント
組み立て式の薪ストーブは以前に比べ、種類も豊富になって
窓が大型化した商品が増えましたね。
一方、以前よりも鋳鉄製のキャンプストーブをあまり見なくなったような気もします。
いっときキャンプ用に薪ストーブを検討したことがあったのですが
重量とスペースに焚火台に落ちつきました。
テントからワイヤ、不燃シートまで揃えたのに(笑
しかしSENQIの薪ストーブ、このクオリティと付属品で2万円台とは。
安くなったものですね。
kyanさんの書かれた課題の磁石や脚は一手間で解決できそうですね。
とくに脚は下部に穴?があるのでこれを使って伸縮する足が組めそうです。
ロストルはもう一枚、捨てロストルをホンの少し空間をとって置くとかはいかがでしょうか?
でも本来のロストルは厚みがあって早々には傷まなそうにも見えますが。
あいかわらずていねいでデータありきのレビュー。
読んでいて楽しかったです。
ORIONさん、こんにちは♪
ここ数年で選択肢が一気に増えましたね~
この意味ではブームも悪くありません😁
重厚長大型の薪ストーブは、バックパックキャンプを目指すORIONさんの身軽なスタイルとは相性よくなさそうですが、「軽いチタン製」+「折り畳み式」+「巻き煙突」タイプならワンチャンありかも?と少しだけ思いました。
中華製は圧倒的な価格の安さがウリですね。
多少の不便は「DIYする楽しみ」と考えばデメリットになりませんし、様々なしがらみから国内メーカーでは作れないような製品も軽々と出してくる勢いは凄いです💦
本品の不便さについて、
温度計は(一面だけでも)磁性体をもつSUSを使ってくれると嬉しいのですが、さしあたりネジ穴を開けてネジで固定するタイプを使用しようかと検討中です。
脚はORIONさんのアイディアと同じことを、ロストルは当該部分をくり抜いて網目状の鉄板を設置、とそれぞれ考えてました。
でも致命的な欠陥ではないのと中華製はブラッシュアップも速いので、よい機種が出たら使い倒す前に浮気しちゃうかも😅
これからも気づいた事やデータが蓄積したら記事を更新していきますね😄
>多少の不便は「DIYする楽しみ」と考えばデメリットになりませんし、
↑ 本当ですね。
昔は日本製品もDIYの余地がありましたが
完成度が高まり、カテゴリーによって電子化デジタル化されるに従って
いじる隙がなくなってきました。
現代の車やバイクは触りようがありません。
>さしあたりネジ穴を開けてネジで固定するタイプを・・・・
↑ 鉄板をネジ止めしてそこに温度計を貼り付けるとかも?
実はこんなすごい人もいらっしゃいまして
「徒歩女子、雪中ソロキャンプのため北海道へ薪ストーブ持参で挑んだ結果」前後編
https://www.youtube.com/watch?v=Qt_Vovjbi4s
https://www.youtube.com/watch?v=M9eMecbJPgg
いくら歩行距離が短くても私にはこんな体力はありません(笑
ORIONさん、こんにちは♪
お返事遅くなりました。
(ご紹介いただいた動画が通しで1時間あったので、週末に視てからお返事しました)
>DIYする楽しみ
精度が高くデザイン性にも優れた日本製は勿論凄いですが、個人的には趣味アイテムだと多少不完全な方が愛着湧きますね😄
加えて中華の安さ・猛烈な勢いで改善してくスピード感に魅力(脅威?)を覚えます。
>温度計
ネジどめ可能な温度計を使おうかと思ってました(Amazonで「温度計 ピザ」と検索すると出てきます)。
実は既に買ってありますが既存のネジ穴とは径が合わなかったため、ドリルビット買ってきて拡張しようかなぁと。
>徒歩女子さんの動画
先のコメントでORIONさん向けのストーブとしてイメージしてたのが、動画で紹介されてた商品でした。
その気にさえなれば、体力その他の困難はきっと乗り越えられる…筈😁