お久しぶりです。
ここ数年、炭釜を訪問して様々なお話を伺っているうちに、実際に焼いてみたいという欲求が高まっていました。
しかし、炭焼きは全行程に1週間はかかるため、なかなか踏み出せずにいました。そんな中で見つけたのが、コチラの炭焼き体験。まずは皮膚感覚で炭焼きを実感すべく、思い切って今回参加させていただくことにしました。
はじめに
今回お邪魔したのはNPO法人・ふぉれすと鉱山(リンク)さん。登別市より委託を受けて運営しています。
訪れた時は、雪がチラついていました。
受付で参加費を支払い、簡単なアンケートに回答します。
しばらくして炭焼きを開始。釜の方までぐるっと歩きます。
炭焼き編
斜面を利用した炭釜です。粘土で覆われた鉄の箱に、焚き口のついた蓋と煙突が前後についています。
火入れは今年は二度目で、去年はドラム缶製炭だったとのこと。
順序は、
①生木を入れる
②蓋をする
③炊き口で薪を燃やす
④煙が透明になったところで、焚き口や煙突を塞いで密閉する
⑤2時間程度で完成
①生木を入れる
60kg(L?)の原木から、歩留まりは50%程度とのこと。原木はナラ、ブナ、カエデだそうです。
②蓋をする
熱を逃がさないよう、焚き口だけ開けた蓋を装着します。
正面は簡単に開閉できるよう、ボルトで固定されています。
③炊き口で薪を燃やす
炊き口にたきつけを置いて着火。
一所懸命、ウチワを仰ぎますが、なかなか燃え広がりません。熾きたオガ炭を混ぜたり、サラダ油を取り出しても、変わらず。(そもそも、炭を作るために炭を使うというのは本末転倒な気が…)
結局、執拗に酸素を送り続けること十数分で着火しました。
④煙が透明になったところで、焚き口や煙突を塞いで密閉する
タイミングは「勘」とのこと。
「当日の天候や気温、木材の状態や火加減によって異なるため確固としたタイミングはない」
ということのようでした(意訳)。
なお、ここで木酢液の採取も行っていました。「舐めてごらん」とのお言葉に、一口ふくんでみましたが…酸っぱかったです。
⑤2時間程度で完成
蓋を取り外し、出来上がりを窯から取り出しました。
出来栄えですが、一般的にイメージする木炭というより、消し炭に近いものでした。
率直に言ってやや物足りないものがありましたが、所要時間4時間であるということ、イベントの目的や対象層を勘案すると、十分でしょう。同時に思ったのは、市販品がキロ100円程度の価格であの品質を維持できているのは凄いと思いました。今まで以上に、大切に使わなきゃ!
ちなみに歩留まりは3割程度でした(目測)。
花炭編
製炭中の待ち時間を利用して、花炭つくりにチャレンジしてみました。
用意するものはこれだけ。
①空き缶
②炭化させるもの(花、木の実、枝…)
③アルミホイル
④針金(ホイルを固定化させるため)
方法はカンタン
①空き缶の中に、松ぼっくりやら栗やら思い思いの炭材を入れます
②アルミホイルで密閉し、真ん中に小さな穴(直径1mm程度)をあける
(煙が逃げ出せるようにするため。大きくても小さくてもよくありません)
③針金で巻く
④熾き火の上で加熱(煙がでなくなるまで)
ここまでで1~2時間位でしょうか。
加熱しすぎによる発火に注意してください。
しばらくすると、ホイルにあけた小さい穴から、炭窯同様に白い煙が上がってきます。
このようにして待つこと数時間…なかなか炭化しません。火力が弱かったのでしょうか。
結局、不完全のままタイムアップとなってしまいました
缶が大きすぎたのか、はたまた火力が足りなかったのか? 今後の研究課題です。
缶のまま持ち帰ってよいとのことなので、有り難く頂いてきました。それがコチラ。
ちなみに、待ち時間には栗を炒っていただけました(^O^)
食事編
事前に昼食持参とのことで、おにぎりを持参していきました。
てっきり、昼はめいめいに昼食を取るのかと思い小屋に入って休憩していたところ、香ばしい良い匂いが…!
なんとローストチキンと暖かいスープを作っていてくれていました。
また、クリスマス(?)特大プリンも!(子供限定)
クリスマス特別企画でしょうか?
ローストチキンは隣にある調理用の窯で制作されており、主に木炭を利用して余熱で焙られていました。
ニンニクの味がちょっときつかったものの、とても美味しかったです。
スープは文字通り体を芯から暖めてくれました。
感想
長年の希望だけに、充実感があります。何より、机上の知識に実体験が加わることで、理解がより深まるのを実感したのが嬉しかったです。しかし同時に、炭焼きの難しさの一端も垣間見えました。
このような催しを企画してくれた、ふぉれすと鉱山およびスタッフの方々に感謝です!
機会があれば、一週間程度山ごもりして本格的な体験もしてみたいところです。
おまけ編
以前から行ってみたかったカルルス温泉へ行ってきました。
冬でも露天風呂をやっているオロフレ荘に入浴(500円)。なお、次回利用できる割引券(50円引)を頂きました。
乳白色じゃないと知りつつ、「登別カルルス」ということで微妙に期待して行きましたが、やっぱり無色透明でした
やわらかい泉質で、入りやすい湯だと思います。
コメント
うわー!?
遂に!!
趣味もここまで来ればすごいですね〜。
でも歩留まり50%って!
儲からない(汗)
でも!楽しそうです(笑)
ta~san、こんにちは!
前々から炭焼きしたいと思っていたので、ちょうどよい機会でした(笑)
歩留まり50%…
通常の黒炭で2~30%、備長炭のような白炭はもっと低いと言われて
いますので、「そんなにあったらきちんとした炭できないんじゃないか?」
という思いがありました。
日本で採算とろうと思えば、それなりの規模と付加価値が必要でしょう。
でも…
「お金に変えられない楽しさが炭焼きにはある」
こう実感して帰ってきました(^^)