【9年使用レビュー】燻製器 お手軽香房 ST-124 (SOTO)

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こんにちは、kyan(@sumibi_kyan)です♪
本日は、ソト(SOTO) いぶし処 お手軽香房 ST-124をレビューしていきます!

(メーカーHPはコチラ)

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来歴

購入価格と使用回数

2009年9月に購入、当時は確か1980円(税込)でした。
以後、レビューを執筆した2017年9月までの9年間で20回程度(年0~5回ペースです)使用しました。

燻製は奥深いので、kyanがこの薫製器で試した「食材」「温度」「熱源」と試したことのないものを予め書いておきます。

これまでに燻煙した食材

熱燻:チーズ(プロセス、カマンベール)、ししゃも、味付豚リブロース、たらこ、鮭の切身、レーズンナッツ類、ささみ

温燻:ベーコン、たまご、ホタテ、豆腐、かまぼこ、ちくわ、はんぺん

ST-124でベーコン燻製にチャレンジ!
燻製ベーコンの製作手順を記事にしてみました♪

(写真:うまくいけばいかにも燻製っぽいチーズも作れます!)

(写真左:ネットにS字フックひっかけてベーコン燻煙中 右:様々な食材を燻煙してみました)

これまで燻煙したことのないもの

冷燻全般(スモークサーモンなど)

これまでに利用した熱源

炭、ガス(カセットコンロ使用)

 

(写真:熱源に炭を使う際はBBQコンロの上に薫製器を置くなど必要です)

(写真:カセットフーBO-CB-AH35に載せて熱燻中)

利用したことのない熱源

電熱器

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スペック

展開サイズ 幅22.2×奥行19.4×高さ41.5(cm)
重さ 2.0kg
付属品 ネット2枚、S字フック(確か3つ)、底皿

 

 

 

 

 

組み立てると卓上コンロを縦置きにしたようなサイズで大きくはありません。
床面積はカセットコンロに収まり、テーブルの上に載せても十分使えます。

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よい点

ギアとして必要かつ十分な2点に集約されると思います。

安価に温燻チャレンジできる

熱燻なら中華鍋でもできますが、温燻は容器に高さが必要なため機器を選びます。
2千円台で買える温燻可能なスモーカーと敷居が低いため手軽にチャレンジできる本品最大のメリットはココにあると考えます。

折りたたみ可能

既存の温燻可能なスモーカーは折りたためない物が多いですが(可搬性という概念が薄い)、本品なら車の隙間にポイッと収納可能です。
キャンプ場へ持ち運んでの利用や収納を考えると大きなアドバンテージを持っています。

おまけとしては

風防としても使える

意外と優秀で風を防いでくれました。
市販のウインドスクリーンは結構いい値段するので助かっています(笑)
なお、製品の目的外使用なので、倒れないよう何らかの固定措置が必要です。


(写真:フーBOによいサイズですw)

気になる点

安い物には多少の不便がつきものですが、ここは思い切って具体的に挙げていきます!

薫製器の作りに関すること

洗うのが面倒

一番のネックはコレ。
汚れ(タール分)が頑固で洗浄時間を要するのと、仮にぬるま湯で洗うとしてもキャンプ場では、お湯を沸かすところからはじめねばならず面倒くさいです。
※メラミンスポンジ+お湯で洗うとよいらしいですよ!


(写真:展開時。横長になるので自宅の台所で洗うのは一苦労です)

金属の端で手を傷つけそう

先端が鋭利なので、洗ってる最中に何度か手を傷つけました
メーカーの製品HPでは洗いやすいことをウリにしてるのにお粗末です。


(写真:危ないので、洗う時はゴム手袋をするといいです)

組立/解体が面倒臭い

組立、解体のたびに「網」と「2つのネジ式木製つまみ」を外さないと奇麗に畳めず面倒臭いです。
特にキャンプ中は薫製器以外にも片付ける物があるので何気に負担に感じます。
設計にもう一段の工夫がほしいです。

きちんと折りたためない

畳でも浮いた感じになってキッチリ折りたためず、気持ち悪いです。
設計を見なおすか、ゴムバンドの1個でもつけてほしかったです。
(SOTOの設計者は、どうやって持ち帰ると考えているのでしょう?)


(写真:ボトムネットが邪魔してきっちり畳めません…)

開閉フックの作りが甘い

取っ手部分のネジがすぐ緩んで開閉フックが動かなくなります。
ネジを締め直せばよいのですが、燻煙中にドアを開けての作業は難儀です。


(写真:何度か開閉してるとネジが緩んで動作しなくなります)

設置時に安定感がない

設置後に何らかの事情で移動せざるを得なくなった際に苦労します。具体的には、

①ボトムネットがきちんとはまらない

安定感がないので、せっかく組み立てても何かの拍子で形が崩れます(引っ掛けたり)

②ボトムネットがすぐ外れる

(写真:ネットはクランクで引っ掛けてるだけなので縦方向にズレると簡単に外れます)

温度調整が難しい

空間容積が中途半端にあるため、たとえば熱燻やりたくても温度が温燻以上になかなかならなかったり、温燻やりたくても温度が熱燻並に上がってしまったり…と、安定させるのにコツが必要です。


(写真:燻製するなら温度と時間が命。温度計はマストアイテムです!)

もう一段網をひっかける突起がほしい

大きさの割に食材スペースは二段しかないので、一度にスモークできる量は見た目の容積よりはるかに少ないです。
もう一段増やして、温燻/熱燻や食材量に応じて三段目を使い分けられると使い勝手が向上するのに、残念。


(写真:置き場が足りなくて100均で買った網をS字フックでネットに引っ掛けてます)

付属品に関すること

付属の網がショボい

網目がバーコード状でクロスになっていないため、食材がよく落ちます。


(写真:食材がボロボロとチップや熱源に落ちるためスゴく使いにくいです)

付属のS字フックの先端が尖っていない

安全な反面、食材が引っ掛けにくくなっています。
この点につきネットで検索すると、何年か前には尖っていたそうで、何らかのクレームでもあったのでしょうか。
別売のS字フックは尖っているので、こちらの付属品も普通に使える物にしてほしかったです。

収納ケースがない

スモーカーという特性上ヤニや臭いがネックになります。
また金属の端が鋭利で危険なこと(ビニル袋に入れておいてもちょっとしたことで穴が開きます)、畳んでもきちっとはまらず移動中にカタカタ音が鳴るので、ナイロン袋と結束バンドをつけてくれたらよかったのになーと思います。
(鹿番長のダッチオーブンは2480円でも収納用のナイロンケースついてましたが…、コスト上昇以上に顧客満足度が上昇すると思いますよ)
※ゴムバンドで輪留めしとくといいかも。


(写真:買った時からちょうどよいサイズだったDO-夢のビニル袋に入れてます)

マニュアルつけてほしい

ここまで薫製器(というか薫製全体)のレビューを控えていたのは、自分なりに「多分こういうことだよね」という筋道のようなものが見えていなかったからでもあります。
知識ゼロからスタートしたため何から手を付けてよいかわかりませんでした。
様々なサイトや書籍を参考にしてみましたが、樹種、薫製温度、燻煙時間すべてバラバラでどうしたらよいか迷いました。
(それぞれの味付けや柔らかさの好みや使っているスモーカーにもよるでしょうから、それらはそれらで良いのです)

価格帯や作りからターゲットは初心者~中級者と思われます。
これらのターゲットがまずは薫製の良さ楽しさを知ってもらうためにも「ST-124で美味しく作る薫製」を記した説明書を簡易的にでもつけてくれると大変ありがたいです。
(初心者向けのチーズ、ベーコンなど4~5種類の作り方が書いてあるだけでも全然違います)

以上が不便に感じた点ですが、2千円そこらでかなり楽しめることを考えれば上出来でしょう。

どちらでもない

ユーティリティに対応できる大きさ

置きやすいサイズです。
ベーコンやサーモンを吊るすと高さが低い(あと3~5cm程ほしい)です。
一方、チーズや卵を置くには広すぎるかな?(量にもよりますが)
組み立てが必要なので「ちょっとチーズを何切れがスモークしたいな」というような「ちょっと需要」には腰が重くなりがち。
熱燻中心の少量スモークなら、100均の中華鍋でいいかなと思いました。

家の中で使えない

構造上、煙が外部に漏れまくるため家の中では使えません。
家の中で燻製するならPanasonicのスモーク&ロースターやサーモスのスモークポットなどを検討した方がよいです。

おまけ情報

OEM供給してるのか、見かけそっくり品がスポーツDEPO(サウスフィールド)や鹿番長その他からも出ています。
ただお値段は似たり寄ったりなのでさほど気にすることもないでしょう。

感想

割と辛口のレビューになりましたが、本品は結構気に入っているというか愛着があります。
その後より大型で高価なスモーカーを購入しましたが、結局手軽なST-124を持ち出す…なんて具合です。

強調したいのは「2千円そこらで燻製にチャレンジできる数少ないパッケージ」という点。
取っ付きやすさや手間は別として、冷燻以外なら(容器に入りさえすれば)これ1つで大体のことができちゃいます。

薫製器とは「勲剤入れて密閉空間の中で煙を満たせればよい」訳で、その原点というか原理がわかっていればこの機種でなくてもよいんです。
温燻ならダンボール箱、熱燻なら中華鍋でも十分できます。しかし、ダンボール箱では熱燻はできません(引火の恐れがあります)し、中華鍋では温燻は難しい(熱源からの高さがないため温度調節の問題)でしょう。
このような問題を安価に解決したのが本品で、他にも
「この機種を買わなくても燻製できるけど、買うことで手間を節約できます」
「折りたためる」「複数回利用可能」「製作の手間不要」の対価として2千円台前半というのは絶妙な値付けでしょう

良し悪しありますが、はじめて燻製をやる人のお試し購入やダンボール燻製器製作の手間賃と思ってまずは使ってみることをお薦めします。
安いから、失敗しても諦めがつくんです(笑)
チャレンジできるんです
これで、数万円もする本格的な薫製器を購入して「自分には難しかった」「面倒臭い」となったら目も当てられません。その点本品は他の類似製品と比較しても値段の割に健闘してますし、この価格帯の薫製器で温燻ができる物は他にはないのではないでしょうか。
なに、自身が成長して物足りなくなったら違う物を買えばよいのです(kyanはそうしました)。

2009年9月の購入からレビューをお届けするまで足掛け8年経過しました。
これまで「そもそも燻製って何ぞや?!」なレベルから牛歩でやってきたので、そんな状態でレビューしても役に立たないだろうと本人の習熟度が人並みになるのを待ってたら随分と時間が経ってしまいましたが…もっとすごいのは8年経っても廃盤にならず現役で販売している息の長さは驚きです。
それだけ多くの人から支持されているという証左といえます。

なお、熱燻については最近は2018年に購入したキャプテンスタッグのミニ薫製器(UG-1054)を使うことが多いです。
そちらもレビューしましたので、よろしければあわせてご覧ください♪

【レビュー】鹿番長のミニ燻製鍋を使い倒してみた (UG-1054)
鹿番長ことキャプテンスタッグのミニ燻製鍋が手軽でイイ感じだったのでレビューしてみます♪

次回作への要望

これらの要望点がクリアされれば名器になること請け合いなんですが…
SOTOさんが出さないなら、D.O.Dや鹿番長さんあたりが改善版を出さないかな?(^^;

簡単に洗えること

ついでに抗菌加工してあると細菌の繁殖に敏感な現代人にウケがいいかも?

簡単かつ安全に組み立てられること

取っ手とかネジ式じゃなくてワンタッチではまるようにしてほしい

きっちりコンパクトに収納できること

専用ケースつけてくれるだけでもだいぶ違いますよ。
設計は、レギュレータストーブとか他製品を見てるとSOTOなら十分できると思います。

「ST-xxx(次期モデル名)での薫製の作り方」といった趣旨の小冊子を添付

ターゲットを初級~中級者に置いていることからも、あった方が断然評価は上がりますね。

結論

温燻もできる安価な燻製入門機として最初の一台に

コメント

  1. 匿名 より:

    私も愛用しています(といっても、年0~2回、同じく10年前くらいからですが)。
    電熱器+密林サーモスタットを使って60度設定で気軽に使えてます。
    思うところ(デメリットで書かれているところ)は完全同意ですが、
    そこを理解してゆるく使うのが良いと感じています。
    凝って高くなるより、今のシンプルで安く。
    このおかげでスモーカー買おうと思えたわけですからw。
    久しぶりにマス釣りに行ったので、今から利用するところです。緩く使っていきたいです。

    • kyan より:

      こんにちは!
      コメントありがとうございます

      確かに、価格と完成度はトレードオフの関係にありますね。
      あとはレビューを読んでいただき、デメリット面を理解した上で入手してもらえればよいかなと思っています。

      マスのスモーク、絶対旨いヤツですね(笑)
      想像しただけでお腹空いてきます😅

  2. isshiy より:

    こんにちは。私も6年くらい愛用しています。トレジャーファクトリーで当時中古2千円くらいで購入しました。これまで、ベーコンやチーズなど温燻、熱燻メインで使っています。
    気になる点について、わかりみが強すぎて思わずコメントしてしまいましたw。

    開閉フックが動かない問題ですが、私は、100均で売っている小さい強力マグネットを、扉の内側に両面テープで張り付けて使っています。フックを回す必要がなくなり、ビタって止まるのでなかなか具合がいいです。(若干密閉度は下がりますが)

    • kyan より:

      isshiyさん、こんにちは!

      「書いてもわかってくれる人いないかもなー」なんて思いながら執筆してたので、わかりみが強すぎて嬉しいです😀

      ネオジム磁石を使うアイディア、いいですね。
      フックが空回り問題が解決するだけでも随分と快適になりますね!
      久しぶりに引っ張り出して試してみます😀