【レビュー】駒ケ岳木炭 バラ炭 (北海道森町)

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こんにちは、kyan(@sumibi_kyan)です♪

本日は、北海道森町で製造されている珠玉の名品、駒ケ岳木炭をレビューします!

パッケージ
購入したのは直売のバルク品なので無地、素性を示す記載は何一つありません

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駒ケ岳木炭 レビュー

来歴

2009年10月、製造者よりバラ炭を15kgで2000円で購入。
2013年より利用開始し、これまでに29回、約8kg使用しました。

駒ケ岳
ここの麓で作られてます♪

スペック

熊石あわびの里フェスティバルにて、切炭をセットしている際に撮影。

原産国 日本(北海道森町・駒ヶ岳)
製造者 山上木炭
販売者 山上木炭
原材料 イシナラ
※道産木炭の多くはミズナラを原料としていますが、駒ケ岳木炭はより硬質なイシナラを使用しています。
JAN 4936695897631
単価 134円/kg(税込)
箱サイズ 未計測(紙袋のため)

状態

炭の形状:バラ

ラッパ型七輪や簡易型七輪で使うにはやや大きいため、割る必要がありました。
焼き物用の七輪やBBQコンロ、バケツコンロではほとんどの木炭はそのまま使えます。

七輪に入る大きさに割って撮影。
このまま家で飾っておきたいです(笑)

叩くとキンキンと澄んだよい音がします

通常の黒炭はザク、ザクッとした音ですが、駒ケ岳木炭は高温で焼いて硬く焼き締められています。

炭は紙袋に直接詰められています

紙袋が二重になっているため炭粉は漏れ出しにくくなっていますが、湿気は素通りになります。

販路

駒ケ岳木炭は、道南を中心に展開するホームセンター・イエローグローブやホクレン等で販売されています。
熊石青少年旅行村で販売している炭も駒ケ岳木炭でした。
※山上木炭で製造された駒ケ岳木炭かまではわかりませんでした。

使用感

駒ケ岳木炭を使用してBBQしたところ

スモークしたシシャモ(カペリン)を炙っていますが、近赤外線が内部からじっくり加熱してくれています♪

焼き物にいい仕事をしてくれる木炭です♪

着火性能

7割方着火するまで平均22分(最短13分~最長41分)、継ぎ足す場合は10~15分でした。

初期着火に失敗した回もあって平均値はオガ備長炭と遜色なくなっていますが、普段は10分台で熾きている感触です。

「着火した」の定義

kyanは「全体の7~8割が白い灰で覆われて、すぐ焼き物ができる状態」になるまでの時間を計測しています。(炭片の一部に着火するまでの時間ではありません)着火時間の目安は黒炭が10~20分、白炭が15~25分です。

着火時臭

野外で火熾しする分には、特筆すべき悪臭を感じませんでした。
BBQしながら継ぎ足し着火しても特に気になりませんでした。

火保ち

BBQに実用として安定して使えるのは1.5時間程度。
火力度外視で燃え尽きるまで計測すると3時間近くもちます。
(大きい程、火保ちはよくなります。小さい炭はあっという間に燃え尽きます)。

オガ備長炭よりは若干短い時間ですが、他の黒炭よりは火保ちがよい印象を受けました。

完全に熾きると、灰で覆われて白く見えます。

原木のイシナラは硬く、その性質を活かした炭焼きの成果かもしれません。
ダラダラとBBQし続ける場合、減った分を1時間~1時間半ごとに継ぎ足すと火力を落とさず継続できました。

「火保ち」時間の定義

kyanは、「熾きて焼き物ができるような状態になってから、焼き物ができない状態に火力が落ちるまで」の時間を計測しています。火保ちの目安は黒炭が1~1.5時間、白炭が1.5~2時間です(炭片の大きさによります)

火力

オガ備長炭と同様かそれ以上の高火力で、熾きた直後の温度は800℃を超えていました。

火力の強さも、ウリの一つです♪

その強さは、全体が熾きればヤカンのお湯を短時間で沸かせる程。
それでいて炎は立ちにくいので網焼きでも食材が焦げにくく、マングローブ炭より扱いやすかったです。

熾きるとかなりの高温(600~900℃)になります

炭量は容積の6割位の量がちょうどよいでしょう
(多すぎると温度調整が難しく食材が焦げてしまいます)

灰量

他の天然木炭と同レベルの量で、かなり少ないです。

オガ備長炭だと1回の使用で目皿から底が詰まってしまいますが、駒ケ岳木炭のみを使っている分には目詰まりしませんでした。

ある時に駒ケ岳木炭820g+オガ備長炭180gの合計1000gを燃やして出た灰が38gでした。
たきつけの灰も含まれていることを差し引くと、ざっくり2.5~3.5%程度と推測されます。
オガ備長炭の灰量が5%を超えることからすると少ないと言えましょう。

灰の色

真っ白です。

真っ白な灰

消し炭としての再利用

大きい破片は再利用可能ですが、よく燃えてスカスカなので次回の着火用途にしか使えませんでした。
そういえば、破片は縦に裂けるように残ることがありました。

よいところ

高品質であること

着火性と火保ちのバランスが優れています。
黒炭ならではの着火性と高火力と、黒炭らしからぬ硬さと火保ちを両立しているところに高度な技術を感じます。

オガ備長炭より熾しやすく、オガ備長炭と同じ位に火力が強いかな。
熾す際に臭いほとんどしないのも安心です。

五感を刺激してくれる美しさ

まずは見た目。炭の断面が美しく、そこにあるだけで雰囲気がガラリと変わると思います。

断面の割れ目が美しくて、惚れ惚れしちゃいます♪

そして熾火。真っ赤に熾きた駒ケ岳木炭はまるで紅い宝石のように輝いています。

完全に熾きると、真っ赤な宝石のような輝きを見せてくれます♪

爆ぜる時は炭からキンキンと澄んだ音がして硬質であることを伺わせ、趣があります。

気になるところ

やや高価であること

購入時(2009年)は現在(2020年)の海外産マングローブ木炭と同じ位の価格でしたが、一般的な流通ルートで購入するとキロ単価300円位します。

人件費を考慮すると仕方ない反面、「工業製品」として見た場合、(品質が安定している)オガ備長炭と比べて積極的に選択するインセンティブが減少してしまいます。

コスパ面からは、炭の扱いに慣れていて恒常的に利用するならば「オガ備長炭+マングローブ炭(たきつけ)」に軍配があがります。

炭が直接紙袋に入っている

譲っていただいた品はバルク品なので仕方ないとしても、国産の木炭ってなぜかビニル袋で二重包装されていないことが多いです。

炭の粉は細かくて、漏れ出すと清掃が困難です。
ビニル袋を使ってほしいな~と思います。

袋の中
直接入っているので、袋が破れたら炭粉が漏出してしまいます…

こんな方へオススメ

バーベキュー初心者へオススメ

着火が簡単なので火熾しで困ることは少ないでしょう。
火力が強いので鉄板で焼きそばも作れますし、炎は上がりにくいため網焼きでも表面だけ焦げるということは少ないです。
火保ちもよいので、2時間位のバーベキューなら継ぎ足ししなくても十分です。
炭のことであまり悩まされないので、食材の準備や楽しむことに専念できることでしょう。

イベント利用にもオススメ

バーナーで短時間に火熾しできるため大量の木炭を一気に熾せるため、需要変動にも対応しやすいです。
また、継ぎ足し時の匂いが気にならないのでお客さんが食べてる最中でも安心。
火力が強いので「なかなか焼けない」なんてこともありません。

実際、道南の食イベントではよく見かけます。

熊石あわびの里フェスティバルでは購入した海産物をその場で焼いて食べられますが、駒ケ岳木炭が使用されています。

しりうち春のカキまつりにて、牡蠣を大量に焼くため駒ケ岳木炭が使われています

その他

自治体(森町)のHPにて駒ケ岳木炭が紹介されています。
せっかく「もりまちの特産品」と認識してるのに、ふるさと納税の返礼品対象には入っていないのが残念。
道内でも池田町や浦幌町が返礼品に加えてるのに、森町といえばカニ推しなんですよね…。
世界に誇れる駒ケ岳木炭に、もっとスポットライトを当ててほしいところ。

感想

炭火に魅せられた初期の頃から気に入っている木炭です。

ポイントは、性能美と自然炭ならではの美しさ。
品質の高さもさることながら、イシナラが赤々と燃焼する様はまるで宝石。見てるだけで嬉しくなります(笑)

なら炭というと岩手なら切炭が有名ですが、北海道は全国有数の製炭地でハイクオリティな木炭がいくつもあります。
駒ケ岳木炭もそのひとつで、イシナラを原木とした硬質な仕上がりはもはや工芸品の域。
火保ちもいいけど火力も強い。通常は相反する両者のバランスのとり方は、使う側のことをよくイメージして作られてるなと感じられ、岩手なら切炭にひけをとりません。

オガ備長炭が「普段遣い」とするならば、駒ケ岳木炭は「とっておき」
駒ケ岳木炭を燃やしてるだけで心が弾み、見てるだけで酒の肴になります♪

個人的に後悔してるのは、「駒ケ岳木炭」のプリントのある切炭を買えばよかったこと。
炭窯の見学をさせていただいた際に「七輪で使うならバラ炭で十分だよ」と薦められるままに購入した品は無地の袋でした。
こう思うのはコレクターだからでしょうか(笑)

「駒ケ岳木炭」と印刷されてるのを買っておけばよかったです♪

間違いない一品と思われますので、見かけたらゲットして使ってみてください♪

【評価】万人にオススメできる、ハイクオリティな道産木炭

コメント

  1. ORION より:

    kyanさんの“炭火が美しい”という価値観、さすが炭火に魅せられて、、、ですね。

    函館にはよく行くのですが、調べたら行き来の途中に山上木炭があったので今度買ってみます。
    ここは140年の老舗だそうで楽しみです。

    • kyan より:

      ORIONさん、こんにちは♪

      炭火の美しさは、焚き火の熾火に通じるものがあるように思います。
      今回はナラ炭を取り上げましたが、備長炭には備長炭の、マングローブ炭にはマングローブ炭の美しさがあって、どれを燃やしても趣があります。

      他の方からは「ただの燃料」、記号としてしか認識されず、なかなか理解されないですが…惚れてしまったものは仕方ありません。
      行き着くところまで、とことんやります!(笑)

      >山上木炭さん
      購入したことがあります。
      ナビがないとわかりにくい場所(道がくねくねしてる)にありますが、入口に看板があるので見落とすことはないと思います。
      今でも直売してるかな?
      可能であれば、おじいさん(ご隠居?)がとても親切な方でしたので、ぜひどうぞ!

  2. ORION より:

    情報ありがとうございます。

    Googleマップに載っているのでやっている、、、と信じたいです。
    ただネットで拾った昨年の情報誌にご主人の写真が出ていましたが
    お爺さんではなかったので息子さんが跡を継いでいらっしゃるのかもしれませんね。

    ここのくねくね道は私の好きな道で国道よりちょっと遠回りですが
    好きな店もあり、好きな場所に車を駐めて駒ヶ岳を見ながらのんびりできます。

    山上木炭、やっているかも含めて、駒ヶ岳を見ながら窯元で直接買うのも楽しみです。

    • kyan より:

      ORIONさん、こんにちは。

      廃業という話は聞かないので、多分大丈夫と思います♪

      このあたりですと、いつもは国道沿いのラッキーピエロかケルンで食事してましたが、素敵なお店もあるとのことでまた行きたくなりました。
      雄大な駒ケ岳を眺めながら飲むコーヒーが美味しそうですね♪