【考察】芝生を焦がさずに焚き火を楽しむ方法

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実際の対策法と効果について

芝生を焦がさない対策を考察

では、具体的にどのように対策したらよいでしょうか。

kyanは以下の二段構えで遮熱しているのでご紹介します。

【黒焦げを防ぐ】芝生と焚火台の間に難燃性の物質を敷く

「難燃性の物質」とは鉄板やブロック(レンガ)のこと。
これらを焚火台の下へ敷くことで、遮熱と同時に燃えた薪や熾が芝生に直接触れないようにします。

有孔ブロックにベースプレートを載せたバージョン

ブロックは、多くのキャンプ場で常備してあり自由に利用できます。

川下海浜公園でのもの
利用しやすいよう、半分に割ってありました。

それらの上に、スパッタシート(工業用の防炎布)も重ね敷きすると一層効果があがります。

なお、スパッタシートは瞬間的な遮熱はできても継続的な遮熱は不十分なので、単体で利用して「スパッタシートを敷いてるから大丈夫!」と油断してると、翌日には芝生が(焦げなくとも)枯れてしまうことがあります。

kyanはスノーピークの焚火台Lを所持していますので、オプションの「ベースプレート」を使用し、その上にスパッタシートを敷いて落ちた熾き火が芝生に直接触れないようにしています。

【枯れを防ぐ】芝生と焚火台の間に空気の隙間を作って断熱する

鉄板やブロックを敷いても芝生が枯れる原因は、長時間の焚き火により敷いた鉄板やブロック自体が熱を蓄熱して地面に伝えてしまうため

七輪の時はここまでしなくても大丈夫でしたが、焚き火は熱量が大きく、焚火台そのものに断熱性もないため、もうひと工夫が求められます。

この点につき簡単かつ効果的な方法を模索した結果、もっとも簡単なのは有孔ブロックを利用することですが、重くて嵩張るのと、キャンプ場によっては置いていないこともあるのが難点。

有孔ブロックが最強かも?
しかし重いのと嵩張るのが難点。

そこで地面と焚火台の間に空気の隙間をつくり、空気の層を「天然の断熱材」として利用する方法に行き着きました。

kyanはベースプレートの下に、薪を2本置いています。

実践してみた

実際にkyanが実践している方法をご紹介します。

といっても、①薪を置いて断熱のための空気層を確保し、②ベースプレートを載せて炎との間を遮熱する。③上にスパッタシートをかぶせて火の粉や熾きが落ちても直接芝生に触れないようにする。
この3重構造が対策の全てです。

平らな地面に薪を2本置く

薪にしてる理由は「ちょうどいい物がたまたまそこにあったから」で大きな意味はありません(笑)
空気層を確保できればよいので、小さい焚火台ならアルミロールテーブルでもいいんじゃないかなと。

上に載せる板が安定すればOK

ちなみに、穴が開いてるブロックを敷く場合は空気層を確保できるので不要です。

薪の上にベースプレートを敷く

ベースプレートは指名買いではなく、「それまで焚火台Lを利用していて車の中に常備されていたから」という消極的理由です(笑)

ベースプレートを置いてみました

キャンプ場にブロックが配備されてるならブロックを、小さい焚火台ならステンレストレーでもよいでしょう。
ケイカル板を焚火台より一回り大きいサイズにカットしてもよいと思います。

要は、遮熱できて焚火台が安定する「面」があればよいのです。

ベースプレートの上にスパッタシートを被せる

遮熱や断熱という点も期待していますが、主目的は火の粉や熾きが落ちても直接芝生に触れないようにすることです。

スパッタシートをかぶせます

上に薪を載せて準備完了!

焚火台をベースプレートに収まるようにセットしました♪

ピコグリル(もどき)だとこんな感じ

木材→鉄板→スパッタシートまでは同じ。
灰が下に落ちるので、こちらでご紹介したステンレストレーを敷きました。

これでいまのところ芝生は焦げてません

効果はどうだった?

一晩で4時間程度、薪を1~1.5束程度燃焼していますが、3重構造にしてから芝生が焦げたり枯れたりしたことは一度もありません。

派手に燃やしましたが…

早速、焚火台、スパッタシート、ベースプレートを外して芝生を見てみましたが・・・大丈夫!

芝生は全く焦げても枯れてもいません♪

ちなみに、空気層を作らないと、ベースプレートやスパッタシートを敷いても、焚火台の構造(下部にどれだけ熱を伝えるか)、火の強さ、そして燃焼時間によっては芝生が枯れます。

その意味では下に敷く薪2本は重要です(笑)

それぞれの温度はどのくらい?

実際に芝生へ影響があると思われる、熾火がたまった状態ということで、焚き火開始から1時間20分後に計測しました。

①焚き火の炎の温度、②焚き火の熾き(炭化した薪)の温度、③焚火台裏面の温度、④スパッタシート表面温度、⑤保護した地面の温度の順番です。

上から順番に5ヶ所計測しました


最も高温になっているのは熾きの部分で832.1℃ありますが、遮熱し空気層で断熱した結果、地面温度は19.3℃になっています。
計測時の気温が11℃でしたので、+8.3℃。
この状態で4時間ほど焚き火して、翌朝焦げたり枯れたりしていませんでした。

焚火台直下の地面温度が気温と同程度になっていることがわかります

コストはいくらかかったの?

(内訳)
下敷き用の薪→0円
ベースプレート→3080円(元々あったので追加コスト0円)
スパッタシート→1280円(購入時)

なので、普通に対策したとして4360円。
kyanが対策のために実際にかけたコストはスパッタシートの1280円のみでした。

ベースプレートはホームセンターでケイカル板なり100均でステンレストレーを買ってきたら1000円以下で対策できるので、正味2500円くらいでしょうか。

七輪のときも同じ対策が必要?

七輪そのものが断熱性に優れているため、ここまで徹底した対策をしなくとも利用可能です。
詳細は過去にまとめた記事がありますので、あわせてご覧ください。

【考察】芝生を焦がさずに七輪を楽しむ方法
芝生を焦がさず上手に七輪を利用する方法です♪
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コメント

「芝生を焦がさずに焚き火を楽しむ」って意外とノウハウが必要です。

キャンプ場によっては「地面を焦がさないでください」といった抽象的な文言しか書いてなくて、(焚き火に関する)”引き出し”のない人にとっては「何が必要でどうすれば効果的か」を想像し対策することは難しいと思います。

ネット上では「焚き火の焦げ跡ガー」、「嘆かわしい」、「ちゃんと知識と装備を揃えて出直してこい」なんて発言こそ見かけるものの、具体的な方法論はあまり見かけません。

かくいうkyanも、これまで随分と失敗してきました。
あちこち焦がしてきたし、万全の準備をしたつもりが翌日そっくり枯れてたなんてことも…。
(ゴメンナサイ)

当サイトでは、これまで得た経験を元に多くの人が少ない負担で対処できる方法をアプローチすることで、「いいな」と思ってマネしてくれたら芝生保護の一助になるかと考え、本記事を執筆しました。

本記事が参考になって、芝生の焦げが一つでも減りましたら幸いです。

本日は読んでいただき、ありがとうございました。

コメント

  1. ぺぱ より:

    kyanさんありがとうございます!
    この記事が一人でも多くのキャンパーさんに見てもらえますように・・・

    • kyan より:

      ぺぱさん、こんばんは!

      理屈をおさえればカンタンに誰でもできるので、一人でも多くの方に試してみてもらえたら幸いです♪

  2. ORION より:

    大事な記事をありがとうございます。
    柔軟性のあるケイカル板があったら即買いです。

    kyanさんだけでなくキャンプ場受付でももっと啓発活動を
    そしてメーカーも商品取説にこういう大事なことを付けてくれるといいのですが。

    • kyan より:

      ORIONさん、こんばんは!

      ケイカル板、もっと一般に知られてもよいと思うんですけどね。
      断熱できるのに安い、柔らかくて加工しやすい、ある程度のホムセンならどこでも入手できる一般品…メリット大なんですが。

      #かつてはこれを加工してBBQコンロの内側に貼り付けて炭の節約をしようとしたことも・・・(笑)

      玄人の目から見ると「え、そんな当たり前のことが?」ということが、知られてないことは案外多いです。
      キャンパーの多くは意図して焦がしでいるのではなく、「そもそもこんなに焦げるなんて知らなかった」、「どう対策したら適切かわからない」のであって、説明をきちんと理解し納得すれば、ちゃんとやってくれる人が大半と思っています。

      キャンパーの一人としては、このように記事にしたり、現場を見かけたら教える位のことしかできませんが…
      キャンプ場やメーカーにも趣旨と対策方法を具体的に説明する等の協力を仰げれば嬉しいですね♪