プロローグ
先日購入したキャプテンスタッグ ダッチオーブンセット25cm M-5528。
キャンプ場で使う前にシーズニングを行いました。
(本記事は、2011年にダッチオーブンを購入した際にシーズニングした記録です)
シーズニングって何?
鍋の油ならしの事。
鋳鉄は錆びやすいので製造出荷段階で防錆用シリコンが塗布されています。これらは人体によろしくないらしく取り除き、代わりに食用油を塗って焼付を行い、鋳鉄表面の凹凸を油膜で覆うことで錆びにくくする作業をさします。
「シーズニング」という用語になじみがなかったので調べると、
1 調味料。塩・砂糖・しょうゆといった基本調味料から、香辛料・薬味・ソース類など広範囲のものまでいう。
2 慣らすこと。特に、紙や木材などを伸縮防止のため、室内の湿度に慣らすこと。また、鉄製の鍋を使い始める際に、油に慣らすこと。 |
という2つの意味があって、この場合のシーズニングは後者に該当するようです。
手順は?
説明書や解説本、それに様々な方のブログを読みましたが、結構バラつきがあってどれが正解かよくわかりませんでした。
様々な話を斟酌した結果、こんな感じだろうと。
錆止め剤を落とす
・食器用洗剤+スポンジでゴシゴシ洗う。熱湯使うと◎
・水を入れて煮る…錆止めを浮かせる。…何度も繰り返す。
錆止めを施す
・油を薄く塗って焼ききる。蓋も、縁も万遍なく行う。
・何度か繰り返す。
・屑野菜を炒める…鉄臭さ除去のため。…何度も繰り返す。香味野菜がベターだそうです。
・ざっくり水洗いして、水気を飛ばしオイルを薄く塗る。
繰り返し料理してコーティングを強化する
最初は揚げ物がよいらしいです。
煮物はすぐ錆びるのとシーズニングが剥がれるのでおすすめしないとか。
必要なものは?
自宅で行う分にはほとんどの物が揃ってると思いますが、外で行う場合は事前にチェックして「あ、足りない!」なんてことのないようにしましょう。
・時間
kyanは3時間程度でした。
何度も焼入れしたければ半日~1日と見積もったほうがよいでしょう。
とにかく時間がかかります。
・火力
ガスコンロでも七輪でも焚き火でも薪ストーブでもオーブンでもバーナーでもいいですが、加熱工程があるため熱源が必要です。
・水
洗ったり湯を沸かすため。
・亀の子たわし
ゴシゴシ洗うため必要。
・油
食用で塩分を含まないもの。大した量は使いません(せいぜい数十ml)
・キッチンペーパー
塗油時に使います。
・クズ野菜
鉄臭さを除去するため。
クズ野菜で十分ですが、なければタマネギや長ネギなど使うといいでしょう。
・革手袋
熱したダッチオーブンは生身で触れると火傷します。さらに軍手もあるとよいでしょう。
ホムセンで売ってる安い豚革で十分です。
・新聞紙
シーズニング後の保管用。
実際にやってみた
晴れてたら七輪でガンガン加熱しようと思ってましたが、催行当日は天気が良くなかったので自宅のガスレンジで行いました。
防錆コーティングを除去する
お湯を張って、洗剤+タワシでゴシゴシ洗う
防錆剤が除去できるはずですが、見てわかるような変化はないのでざっくり洗って終了しました。
ガスレンジにかけて沸かす
初回の水(お湯)は薄茶色に変わったので、防錆剤が溶け出したのかも(沸かして良かった!)。
湯を一度捨てて二度目の煮沸の際は見てわかるような変色はありませんでした。
防錆コーティングが剥げると鍋の各所(特に炎が当たっている部分を中心に)赤錆が速攻で浮いてきます。
錆止めを施す
オリーブオイルを薄く塗ってコーティングする
もたもたしてると赤錆がガンガン浮いてくるので時間との勝負。
さっと湯を捨て(地味に熱い)、キッチンペーパーで水気を手早く拭き取って塗油します。
ここで加熱→油が蒸発→冷めたら塗油→加熱・・・を何度か繰り返すと焼付されていくようですが、ここまでの不慣れな作業で腰がクタクタになってしまったので次の工程へ行きます。
(こだわりある場合は気合入れてしっかりやった方がよいでしょう)
クズ野菜を炒め、鉄臭さを除去する
野菜炒めなんて中学校の家庭科実習以来。よくわからず家族にHELP。丸投げしました(爆)
「私ならこんな重い鍋は要らない」とか散々に言われながら、その時たまたま家にあったタマネギともやしを炒める→捨てるを何度か繰り返して何とか完了。
炒めた後で、キッチンペーパーで油を吸い取る
お湯を張って、タワシでゴシゴシ洗う(洗剤は使わない)
仕上げ
オリーブオイルを軽く塗り弱火で2~3分加熱し、冷めたら完了としました。
(今思うと、洗ったあとに水気を飛ばすため加熱し、冷めたあとで塗油が正解かもしれません)
料理
これは後日キャンプ場で行うことにしました(コーティングにはよろしくない煮物料理ですが…)
終わってみて
黒色・・・ほんのり茶色になったかな。ガスレンジなのでどうしても部分部分しか加熱できず色ムラが残りました。特に外面とか、蓋とか加熱しづらいところは厳しいですね。
まあ、赤錆が発生しなきゃOK!ってことで(笑)
あれから7年経過した今なら、10インチサイズなら入るオーブンもありますし、そもそもシーズニングのためにソロキャン行ってくると思います(爆)
ちょっとしたアドバイス
何度も使い続けるうちに自然と被膜ができるので、神経質にならなくてもOK
慣れてる人なら苦にならないかと思いますが、IHヒーターやテフロン加工にどっぷり浸かってると、慣らしの必要性もよくわからないし面倒臭いしでいきなり挫折する可能性があります。
初期目的は「防錆コーティング除去」と「錆びないよう油を塗る」、この2点ができれば成功と考える方が気が楽です。
初心者の焼付知識で適当に行ったシーズニングでしたが、30数回使った現在、鍋の焼きムラはほぼ解消し、大きな錆も発生せず使えています。
塗る油は食用であればなんでもよいが、塩分のない物推奨
錆止め目的なので塩分が含まれていたら効果半減ですね。ちなみにケーキづくりで使うショートニングだとベタつきが抑えられるようです。
緑茶や紅茶に含まれるタンニンが鉄と反応して黒錆発生を促すそうです
kyanはやったことないのですが、ダッチオーブンでティーバッグ3~4個入れて煮出し、そこに酢をいれて数時間放置しておくとよいそうです。
ガスレンジだとコンロに比して鍋が大きいため、焼きムラが出て正直巧くできません
本場アメリカではオーブンにいれて均一に加熱する…といった記事を見かけました。
サイズ的に入るなら、火をかける工程はオーブンに任せたほうがよいかもしれません。
暖かい季節や住環境が許すならば外で焚き火やガスバーナーを使って一気にやった方が早いです。
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