本日は、スノーピーク社の焚火台S (ST-031R)をレビューしていきます
焚火台Sのレビュー
来歴
2013年12月にベースプレートスタンド以外を一式で購入。
税・送料等すべて含めて18840円でした。
2014年より利用を開始。現在2シーズン目で40回程度使用しています。
ソロキャン時にチョロ火を楽しむためSサイズにしました。
※同時に「コンプリート収納ケース」、「グリルネット」、「ベースプレート」、「炭床Pro S」を導入しましたが、記事が長くなってしまったのでオプション類は別記事にします。
焚き火台Sスペック(ST-031R)
重量:1.8kg
展開時サイズ:W27×D27×H21cm (対角線の長さ:36cm)
収納時サイズ:W35×D41×H2.5cm
収納袋完備です
構造
本体と脚の一体型です。
アクションは「開く」「畳む」の2つのみ。よく練られていて一つの完成形でしょう。
よいところ
デザイン
4枚のプレートを重ねた逆三角錐のデザインは美しさと機能性を同時に兼ね備えています。
この形状により酸素を下から取り込んで燃焼を促進するため、薪がよく燃えてくれます。
また、薪を落としこむ構造により薪や炎を含めたトータルの高さが他社製品より低くて済むのが魅力です。
ソロキャンプ時にヘキサタープ下で焚火したかったので、この形状が気に入りました。
ライバル製品の多くが地面高があるため(たとえば焚火台KL-001が約36cmに対し焚火台Sは同20cmと、16cmの差があります)、薪をくべると炎の地上高が高くなり、火の粉が煽られてヘキサの天井に穴を開けてしまう確率が高まります。
簡単に設置/撤収できる
開く・畳むがワンアクションで行えます。
ライバル製品と違って脚を畳んだり伸ばしたりする必要なくてラクチンです。
展開10秒、撤収数分で終わる手軽さを一度味わうと競合製品には戻れなくなります…(笑)
頑丈
既に40回程度使用していますが、金属が波打ったり変形しません。
翌春に確認すると多少錆びていましたが、開閉や実用には全く問題ありませんでした。
また、ダッチオーブンなど重量物を載せてもびくともしません。
コンパクト
面積には35cm×41cmと一見普通ですが、畳んだ際は厚みが2.5cmしかありません。
車や倉庫でわざわざスペースを探さずともスキマに収納できます
気になるところ
展開した形状を固定するには接地が必要
展開状態を固定する機構が何もないので、ちょっと動かすとパタンと畳まさります。
これ…灰を捨てに行く時にすご~く困ります。。
もっともベースプレートSを用意することでほぼ解消できるので、致命的ではないかもしれません(ベースプレートに切り込みが入っており、脚が固定されます)。
中心部から灰が落ちていく
4枚のプレートを重ねて逆三角錐を構成する構造上仕方ないのですが、灰が落ちます。
下が芝生だと少なくともその部分は確実に焦げるので、ベースプレート等を敷いておいた方がよいでしょう。
こちらもベースプレートSとセット運用することで解消されます。
このように焚火台とベースプレートの相性がとてもよい(というかなぜ別売?!)
いっそベースプレートといっしょになっちまえyo!
重い
本体(1.8kg)+ベースプレート(0.9kg)+収納ケース(0.3kg)=合計3kg。
さらに炭床S(1.4kg)+グリルネットS(1.0kg)で合計5.4kgになります。
なまじ薄くてコンパクトなだけにずしりと来る重さ…
頑丈や便利さとトレードオフということで納得はしてますが、やっぱり重いです。
サイズはソロキャンパー向きでも、バイクで持ち運ぶには重いかな?という印象です。
焚き火台Sだけコンプリートセットの設定がない
セット設定のあるM/Lと異なり、単品で買い揃える必要があります。
一式揃えるならいっそMサイズの方がよいかもしれません。
どちらでもないところ
価格
本体8600円+税。これにオプション類も入れると約2万円かかりました。
「地表にダメージを与えないで焚火を楽しむ」という良いコンセプトなので、もう少しお求めやすい価格設定だと多くの人が買う=地表にダメージを与えないで済むんじゃないでしょうか。
焚き火台Sのサイズについて
端材や拾った細枝を燃やすのにちょうどよいサイズです。
太い枝や幹、市販の薪(長さ36cm、太さ10cm程度)は割るのが前提と考えた方がよいです。
市販薪は対角線に辛うじて入りますが、2~3本くべればどこかしらははみ出てしまいます。
したがって焚き火台Sはチョロ火を楽しむために向いています。
逆に、盛大にキャンプファイヤーをするなら最初からLサイズを買ったほうがよいでしょう。
焚き火台Sで3時間程度の焚き火を行うと、
①すぐに熾き火がたまって燃焼効率が落ちる
②薪が本体からはみ出るため周囲の芝生が焦げる
(枝が燃えてはみ出た部分が落ちて焦げる→ベースプレート裏は芝生があってもその周囲が綺麗に黒焦げに)
また、トータルの嵩が高くなる分だけそれなりに火の粉が飛びます=タープ下での焚き火は厳しくなります(タープ柱の下で焚き火したら、何箇所も微細な穴が開いてしまいました)。
Sサイズをストレスなく使えるユーザ
①その辺りで小枝を拾ってくる労力と時間を惜しまない人
②端材を潤沢に入手できる環境がある人
③市販薪を鉈で割ってサイズを整える労を惜しまない人
焚火台Sの燃費
普段はチョロ火が多いのですが、2~3時間の焚き火でこの位使ってます。
太い薪/幹…2~3本
細い薪/枝…4~8本
火勢調整用の枝…手で3~4握り
たきつけ…松ぼっくり4、割り箸8、文化たきつけ1本
(記載は途中で継ぎ足す分も合計した量です)
このうち常時くべておけるのは、
太い薪/幹…2本
細い薪/枝…3~4本
といったところ。
くべすぎると空気流入が遮られて鎮火してしまうので、派手な炎の舞いを見たければより大きい焚火台の方がよいでしょう。
焚き火のウェイトが大きいキャンプでは別の焚火台(KL-001)を持参しています。
BBQコンロとしての評価
これまでに計4回使用しました。
大人2~3人用のBBQコンロとして利用可能です。
普段からBBQコンロを使用してる方にとっては違和感なく使えると思います。
七輪と比較すると
・焼面積が圧倒的に広い(普段使いの2代目七輪比で約4倍)
・炭を多く使う(七輪300~500gに対し、650~1kg程度使用)
・大きな炭が取り扱える
・炭の扱いが七輪より難しい
①途中で炭が立ち消えしてしまう
②継ぎ足し着火に失敗する
炭火コンロとして使う際の最大の難点は、BBQが終わらないと焚き火が始まらないこと。
食べてる間に焚き火ができないし、事前に薪をくべるなど準備もできないためどうしても無駄な時間が発生してしまいます。
kyan的には、焚き火を行う時にはBBQコンロを別途持参したいところです。
※炭床S Pro.を使用してますが…価格を考えるとなくてもいいかなという印象(重いですし)
感想
どのキャンプ場へ行っても一度は見かけるメジャー製品、焚き火台。
冬にカタログ見てたらベタ惚れ…、一度気になり出したら脳裏から離れません(笑)
最終的にはデザインの良さとヘキサタープ下でチョロ火がしたくて指名買いでした。
余談ですが、スノーピークさんはカタログの製品使用写真の出来が秀逸ですね。
購買欲をそそられました(笑)
サイズは、既に他社の焚火台を所有していたためサイズが被らないようSを選択しましたが、自分の焚き火スタイルには小さすぎて残念ながら合いませんでした。
購入される際は「自分がどんなスタイルの焚き火が好きか」をよ~く想定して買われるといいでしょう。
(チョロ火専門でなければ、とりあえず1個選ぶならMサイズかな…Lはデカいです)
ただ、そのコンパクトさは愛着が湧いてこれはこれで可愛いです(笑)
次の焚き火台を買うまではメインで使うことでしょう。
(2021.1.9追記)
その後、焚火台Lを追加購入して今はそちらをメイン利用しています!
焚き火の上に鍋やヤカンを置いて火力を有効活用したくグリルネットを買いましたが、kyanには不向きでしたのでトライポッドが気になっています。
なお、幸いに壊れたことがないのでサポートにお世話になったことはありません。
スノピはサポートが手厚いと聞きますが、焚火台が壊れた場合でも修理してくれるのかな??
焚火台はどのメーカーの製品も耐久性に優れている(=破損を理由とした買い替えが発生しにくい)こと、趣味アイテム(キャンプするにあたりマストアイテムではありません)のため、コストは気にせず最初から気に入った物を買うのがよいと考えています。
このレビューが焚火台チョイスの参考になれば幸いです
総評
焚き火台の最有力候補
サイズは自分のスタイルに合わせてよく吟味する必要アリ
コメント
我が家はSP焚き火台Lを、5年ほど使用しています。
確かに、Lはすごく重いですが、変形もしないですし
頑丈です。
我が家では購入して後悔していないキャンプ道具の
中のひとつになっています。
重さだけがネックになりますが、おすすめしたい焚き火台です。
いや〜、渾身のレビューでしたね。
40回使い込んでの感想・・・説得力が違います。
さすが、炭火お師匠。
焚き火台Sのレビューはこのページで決まりです!
ところで、、、お師匠、
>大きいサイズのラッパ型七輪/27号とほぼ同じサイズ
・・・これは、北海道では一般的に通じる話なのでしょうか?(爆)
私にはさっぱりでした。(汗)
NANAさん、こんばんは♪
焚火台に満足されてるようで嬉しいです(…関係者じゃアリマセン^^;)
キャンプ道具には「これは悩まず無条件に買ってOK!」って鉄板アイテムがいくつかありますが、焚火台はその中の一つに入ると思ってます。
車なら重くても許容範囲なので、Lサイズは全然アリですね。
大きい分だけ薪の使用量が多そう?なのが気になっていますが、いかがでしょうか。
p.s.
おそばせながら…先日は薪の購入先を教えて頂きありがとうございました。
金田さんは数年前よりたまに訪問しては炭を眺めに行ってます(^^)
良質な薪を販売してますよね。
確か息子さんが作った薪を販売されたと記憶してますが、今はやってないのかな。。
しくさん、ご無沙汰してます♪
レビューは納得行くまで使い倒しますよ~!
おかげで商品が廃盤になった後で掲載することもしばしば…(汗)
ごく希に、結論が直感的に出た時は数回で打ち切ることもありますが(笑)
>大きいサイズのラッパ型七輪/27号とほぼ同じサイズ
北海道でも多分通じないと思います(爆)
七輪の**号とは、多くは直径**cmのことを意味しますのでこの場合は「外径27cmの丸型七輪とほぼ同じサイズ」という意味でした。わかりにくくてスミマセン(^^;
記事修正しました(^^)
おはようございます。
他の方も書かれていましたが、レビュー解りやすくて
素晴らしいと思います(^^)
>大きい分だけ薪の使用料が多そう?
確かに、豪快に燃やす人だとそうかも知れません。
我が家の場合はケチケチして燃やしますので(笑)
薪の種類にもよるのですが、金田商店で購入している薪だと
長持ちしますし、ひと束で2時間はもちますね(^^)
金田商店、ご存知でしたか(^^)
美笛キャンプ場に卸しているそうですね。
kyanさん、おはようございます♪
私も焚き火台S使っています♪
年間使用回数は少ないもののもう15年以上?使ってますが、まだまだ使えそうです。
もう40回も使ってるのですね。スゴイ!
私ももっと活用しないと・・・・
私も
NANAさん、こんにちは♪
ありがとうございます。
「わかりやすい」「参考になった」は何よりの褒め言葉で、嬉しいですヽ(=´▽`=)ノ
焚火台Lの燃費は、金田商店の薪一束で2時間位(ケチケチモード)ですか~
なるほどなるほどφ(..)
焚火台Sの2~3倍位は消費しそうですね。今から薪貯金しなきゃ!?
金田さんの薪は広葉樹と針葉樹がありましたが、前者だと太く長くて一度火が着いたらじっくり燃えてくれますよね。暖炉の前にいるようで好きです。
以前、モーラップキャンプ場にも卸してると伺いました。
知らずに購入しましたが、当時のkyanは着火すらできずに途方に暮れたのはいい思い出です。
太い薪をバーナーで着火しても、すぐ消えちゃうんですよね。。。初心者あるある(^^;
Gianさん、こんにちは!
15年以上お使いとはスゴイ!
普通の金属なら火があたったところから経年で錆びてくので、焚火台の頑丈さとGianさんのメンテが上手いんだなあと感じます。
15年経過したら「今どうなってるか」レビューできたらいいなあ。
GianさんもSサイズお使いで、Lサイズへ移行されましたね。
ちなみに改めて別サイズが欲しいと思ったきっかけは、Gianさんの記事を拝見したことです(^^)